最近の税制改正については、税制改正大綱にのりながらも最終的に法律改正に至らないこともあるため、どの改正案が実際の法律として確定したのかがわかりにくくなっています。
そのうちの1つが繰越欠損金に関する変更です。
これも話としては早い段階からありましたが、最終的には平成23年11月30日に国会で成立し12月2日に公布、施行されました。
変更内容としては以下の2つになります(法人が対象)。
①欠損金の繰越控除額が各期の所得金額の80%までに制限される。(平成24年4月1日以後開始事業年度から)
②繰越期間が7年から9年に延長される。(平成20年4月1日以後終了事業年度に生じた欠損金から)
①は増税要素、②は減税要素となりますが、①は資本金1億円超の法人、又は資本金5億円以上の法人の100%子会社等が対象である一方、②は資本金1億円以下の中小法人等も対象となるため、中小法人ではメリットのみの改正となります。
規模の大きい会社様におかれては、平成24年4月1日以後開始事業年度からは、繰越欠損金が残っていても、単年度で利益が出れば法人税が発生することになりますので、ご注意ください。
一方、中小会社様におかれては、欠損金の発生年度をご確認いただきますと、ケースによっては今後利益が出ても無税(法人税)でいられる期間が延びることになります。