ライオンズクラブの関係の茶会が京都であり、今年の役職上初めて参加することになりました。
茶道については知識も経験もまったくありませんので、一緒に行く他の3人のメンバーにいろいろと聞きましたが、気楽に手ぶらで行ったらええんちゃう、ということなので特段の準備もせずに、会場である北野天満宮に行きました。
本席の待合室で待っている時に他の参加者を観察していると、みんな扇子みたいなのを持っているので、一緒に来たライオンズメンバーに聞くと必ず要るものということ。持っていないのは私だけで、手ぶらで良いって言ったやんかぁと思い、お葬式に数珠を忘れてきたような気分になりました。
いよいよ本席に招き入れられる時に、係の人が今日はライオンズクラブ主催の会なので、バッヂをつけた方に上座をお願いします、とのこと。控室にいる30人ほどのお客さんを見渡しても、バッヂをつけているのは我々4人だけです。さてそれから正客(主賓)に誰がなるかという話で、正客になるには相当の経験と知識がいると言われていたので、若い頃に少しかじったことがあるといっていた先輩が強制的に正客にさせられ、顔が青ざめていました。
さて、全員が茶室に入ると、80歳は超えていると思われるおじいさん(主人)が出てくるのですが、全てを悟りきった雰囲気がその小さい体を異様に大きく感じさせ、スターウォーズのマスターヨーダのようなオーラを醸し出しています。その尋常ではないオーラに、お茶をいただく前から「結構なお手前でしたっ!」と叫んで逃げたい気分になります。
まず初めに茶菓子が出てくるのですが、正客には一つのお盆に一つのお菓子、そして一本の棒状のもの。他3人の前には一つのお盆に三つのお菓子に二本の棒状のもの。この時点で私には禅問答のようです。私はそれをどのようにして食べれば礼儀にかなっているのかがわからないまま、上座の方なので正客の次に行動しなければなりません。私は棒状のものを箸であると判断して、箸のように使って茶菓子を取り、かつ箸のように使って食べたわけですが、隣の人が後から食するのを見ていると、棒状のようなものを一本だけ使って、自分で用意してきた紙の上に茶菓子を置き、なんとMyつま楊枝みたいなものを取り出して、それを使って食べているではありませんか。
ライオンズクラブの他のメンバーも自分で持ってきた紙を使い、またMyつま楊枝で食べているのを見て、またまた騙された気分です。
正客の席に座った先輩は一番良い器でお茶をいただくわけですが、お茶をいただいた後に繁々と上から横から下からと器を観察したあと、横に回してくるので、私も同じように繁々と観察するふりをし、感心するふりをしたわけですが、うちの子どもが小学生のころに信楽で体験で作ったものとさしたる違いはないなぁと心の中で思っていました。
正客の先輩は自分の前にあるものを全部隣にまわしてきて、煙管が置いてある箱のようなものもまわしてくるので、私も横にまわしていくと、係の女性がそっとそれを正客の前に戻して、これは正客であることの証のようなもんなんですよ、とやんわり叱られていました。
正座が厳しくなってきた頃、隣に座っている私より体重が重い先輩がムズムズしはじめたので、例のヨーダが「お楽に」と言ってくれたのを幸いに、その先輩と私は胡坐に座りなおしたわけですが、他の客は当然正座を維持しつづけて、なんだか我々だけよくTVニュースで見る茶道を体験する外国人みたいな感じになってしまいました。
来年もこの会は開催され、役職上同じメンバーで行くことになりそうなので、1年間茶道を猛特訓して、リベンジしようと凝り性の先輩連中は誓いあっていました。
すみませんが私はまだまだ侘び寂びの世界より、ネオン煌めく世界で修行させてください。
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